シカゴは、アメリカを代表するロック・ポップ・グループです。
1967年にイリノイ州シカゴで結成し、1969年にデビューしました。現在も活動中です。
当初は、メッセージ色の濃い楽曲を擁し、ベトナム戦争や政治腐敗に憤慨する若者の心を掴みます。サウンド面では、ブラスを主体とした衝撃的な音作りで、その音楽は“ブラス・ロック”と評されるようになりました。この1970年代前半を第1次黄金時代と位置付けることができるでしょう。
ところが、1978年、オリジナル・メンバーのテリー・キャスが不慮の事故により他界すると、バンドの足元が揺らぎ、たちまち低迷の深みにはまってしまいます。
しかし、1982年、"素直になれなくて"が起死回生的な大ヒットを記録し、不死鳥のごとくシーンに返り咲きます。これ以降、バンドは、ブラスを控え目にしつつ、もっぱらキーボードを主体としたバラード路線を歩み始めるようになります。この1980年代全般は第2次黄金時代と呼ぶことができるかと思います。
一方、この復活劇に貢献したピーター・セテラは1985年に脱退してしまいます。バンドは再び危機に直面するわけですが、このときは、若くて才能あふれるジェイソン・シェフを起用し、ピンチを脱するばかりか、さらなるビッグ・ヒットを量産するようになります。
1990年代に入ると、シカゴのアルバム制作ペースは急激に失速し、企画盤のリリースが相次ぎます。これと反比例して、個々のソロ活動が盛んになり出した時期でもありました。
ところが、2005年、シカゴは突如として新作のレコーディングに入ります。これが、通算30作目に当たる『XXX』です(2006年3月21日発売)。シカゴは新世紀に新たな1ページを作るため、歩み始めました。
また、2008年には、1993年に製作されながらも未発表となっていた幻のアルバム『シカゴ32 ストーン・オブ・シシファス』が正式に発売されるに至っています。
2009年8月には、80年代の第2次黄金期の立役者であるビル・チャンプリンがシカゴを脱退します。
2016年5月には、同じく第2次黄金期の立役者であるジェイソン・シェフもシカゴを脱退します。
さらに、創設メンバーのウォルター・パラゼイダーは、健康上の理由により、2017年をもって、バンド・メンバーとしての活動から引退しています。
シカゴは、2018年、新加入のメンバーを加え、2019年には、通算37作目に当たる『CHICAGO CHRISTMAS』をリリースしています。
2020年、世界は、新型コロナウイルス感染症のため、大変苦しい状況に陥りました。シカゴも例外ではなく、ライヴ活動が大幅に制限されました。
2021年12月には、ギタリストのキース・ハウランドがシカゴを脱退します。
それでも、シカゴは前進し続けます。リモート技術を駆使して、ライヴ演奏を配信してくれたりしました。
そして、2022年には、通算38作目に当たる『BORN FOR THIS MOMENT』がリリースされました。
我々も、応援の手を止めるわけにはいかないのです!
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