原作者は、プエルト・リコ出身のギタリスト、ホセ・フェリシアーノ。この曲は、1970年の『CHRISTAMS ALBUM』に収録されていました(試聴はこちら。映像はこちら)。
フェリシアーノ自身は、ラテン・アーティストではなく、国際アーティストを自負しているようですが、やはり、彼の歌う"FELIZ NAVIDAD"は、ラテンないしスカ風味がふんだんに盛り込まれています。
これに対して、シカゴ版"FELIZ NAVIDAD"は、ロバート・ラムが華麗で繊細なアレンジを施しています。その甘くて奥深いヴォーカルとあいまって、感動を抑えきれない方も多いことでしょう。
私などは、ロバートが選曲したとき、この曲についてまったく知りませんでしたが、アメリカでは、クリスマス・シーズンになると、必ずと言っていいほどかかる曲だそうで、とにかく有名なクリスマス・ソングなのだそうです。
なお、タイトルの"FELIZ NAVIDAD"ですが、これは、スペイン語で≪メリー・クリスマス≫という意味です。
まず、≪feliz≫は、「フェリス」と発音し(=「z」は「ツ」とは読まない模様)、英語の≪happy≫に該当します。ちなみに、学校法人のフェリスさんとはつづりが異なります(ferris)。
これに対して、≪Navidad≫は、「ナビダ」ないし「ナビダドゥ」と発音し(=最後の「d」は発音する場合としない場合があるようです)、英語の ≪Christmas≫に当たります。
従って、≪Feliz Navidad≫で、≪メリー・クリスマス≫というわけですね。
ところで、当時、一部地域にて、リー・ロックネインがリード・ヴォーカルをとる"LET IT SNOW ! LET IT SNOW ! LET IT SNOW !"のスペイン語バージョン、"NAVIDAD, NAVIDAD, NAVIDAD"が発売されたことがありますが、これは、≪クリスマス、クリスマス、クリスマス≫という意味だったのですね。まさに、リーのハスキー・ヴォイスが絶妙の逸品でした。
ちなみに、日本でもおなじみの韓国の歌姫BoAも、この"FELIZ NAVIDAD"を歌っています。曲は、オムニバスCD『winter vacation in SMTOWN.com - Angel Eyes』(2001年)などに収録されています。
BoAのバージョンは、一瞬、違う曲のような印象を受けますが、イントロをもう一度ゆっくり聴いてみてください。≪Feliz Navidad≫というスペイン語のサビの部分がインストゥルメンタル化されています。
また、歌詞中には、≪I wanna wish you a Merry Christmas From the bottom of my heart≫という一節が健在です。これに韓国語の歌詞が追加され、全体として、とても軽やかなポップ・ソングに仕上がっています。それにしても、韓国語って、歌にすると、なんだかフランス語みたいに聴こえてきますね。意外な発見でした。
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